第16回五條園美リサイタル


▲「壷中の天」より

長唄 五條三番叟
初代五條珠実振付

昼 の 部
 翁   五條園美
 千歳  五條芦園
 三番叟 五條園恵

夜 の 部
 翁   五條園扇
 千歳 五條美佳園
 三番叟 五條園美

●初めにお目に掛けます「五條三番叟」は昭和16年4月28・9日の両日、新橋演舞場における五條珠実独立記念公演に当たり、五條流の創流を祝って作られたものです。
 翁を女性とし、三番叟と千歳で五條橋のまねびをする趣向を立てて「五條」と「三番叟」を結び合わせ、牛若丸の健斗を珠実の門出に見立ててあります。
 名古屋では昭和62年の「金城おどり」で発表されました。三番叟を珠園、千歳を園美が演じました。


長唄 藤   娘

昼 の 部
 男 五條美千園
 娘 五條 景華
 娘 五條園八王

夜 の 部
 男 五條 園風
 娘 五條 智美
 娘 五條園比奈

●日本舞踊の代表作の一つとも云える「藤娘」は文政年間に関三十郎という歌舞伎役者によって演じられたものです。
 江戸中村座の二番目狂言「けいせい反魂香」の大切所作事として初演された五変化物。本名題を「歌へすがへす余波大津絵」といいます。
 此の度は、リサイタル用にアレンジ致しました。若い踊り手達の美しさ艶やかさなどお楽しみいただけたらと、会に一つ新しい華をそえてみました。


荻江 木 曽 路
山路曜生振付


 五條 珠園

●木曽路は靄に灯ともし十三夜・・・の美しい詩に始まる「木曽路」の作曲者、荻江露友宗家は中津川を故郷とされる故前田青邨画伯の婦人。
 宗家の依嘱により作詞をした仁村美津夫氏は戦時中、この地に疎開されていたとのこと。簡潔な中に木曽路の秋を行く旅人の心が詩情豊かににじみ出ています。

地唄 残   月
   〜父を偲んで〜
五條園美振付


 五條 園美

●「残月」は残月信女という女性の法名からとったもので、可愛がって親しくしていた娘への追善の気持ちをあらわした曲。第八回のリサイタルで演じました。此の度は、父・佐藤一夫を偲んで、いっぱいの愛情をそそいでくれた大切な父への追善の気持ちをこめて・・・。
 父が旅立ちましたのは今年三月でした。悲しみの消えない内に桜が満開になりました。ハラハラと散る桜はかえって思いを募らせるばかりでした。父の書斎からあおぐ月、英語の本・・・
 この演目は三年ほどしてからにしたほうが良かったのかもしれません。

創作 壷中の天
     −龍虎の巻ー
五條園美 作・構成・振付


 龍   五條園美
     五條園扇
     五條美千園

 虎   西川菊次郎(特別出演)
     五條園恵
     五條園風

 郷   五條園智
     五條美佳園

 男   西川京志郎(賛助出演)

●壷が大々的に展示されているということで、信楽にある美術館を訪れました。壷の見どころとして「灰かぶり」「カセ」「ビードロ」「とんぼの目」「火色」などなどあって秋を思わせる壷や桧垣の文様の面白い壷など色々ありました。が、私が釘付けになったのは懐かしい郷を感じる壷でした。大きな壷で「灰かぶり」が景色を作っていました。その壁の厚みの上に田畑を見、耕す人を見ました。思い出に出てくる懐かしい青い畑でした。赤い肌に夕焼けを見ました。壷の壁から馬が牛が犬、猫、虎、龍がいっぱい現れてきました。花は咲き乱れ滝はごうごうと音を立て水しぶきが涼しげでした。壷の口からは鳥の声が風の音が届いてきました。まさしく夢幻の仙境でした。爽やかな一時。「壷中の天」と題したこの展覧会の意図をそこに見ました。
 「舞台に架けるのだ!」と、張り切って帰ってまいりました。
 あれから一年経ちます。



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